コンサルファームBIG4の違いを徹底解説【出身者が語る各社の特徴・2024年最新版】
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コンサル転職を検討している人はBIG4の名前を聞いたことがあると思います。しかし、各社の違いを理解している人は少ないです。本記事ではBIG4出身者が各社の違い、特徴について解説します。
BIG4として知られる4大コンサルティングファームは、各社の特色と個性的なサービスを活かしてビジネス界をリードしています。
これらのコンサルティングファームは、それぞれ独自の強みと特徴を持ち、多様な業界に革新的なソリューションを提供してきました。
しかし、BIG4は一見似たようなコンサルティングファームに見えますが、実際は重要な違いがあります。
この記事では、そのようなBIG4各社の特徴と、どのような違いがあるかを出身者の視点から解説します。各社の違いを理解して、最適なコンサルティングファームを見つけましょう。
それでは、BIG4それぞれのファームが持つ独自の強みと提供価値、そして、違いを深く掘り下げていきましょう。
BIG4とは
BIG4各社の違いを知る前にBIG4とはなにかを理解しましょう。BIG4とは世界的に著名なコンサルティングファーム、デロイト、PwC、EY、KPMGを指す俗称です。
これらの企業は、グローバルな影響力と、多岐にわたるサービスを提供しています。しかし、なぜこれらの企業が特にBIG4としてコンサルティングファーム業界で地位を確立しているのでしょう。
この章では、BIG4が持つ歴史的背景と、各ファームがどのようにこの地位を築き上げたのかを解説します。また、各ファームがどのような違いを持っているのかについても解説します。
1-1.なぜBIG4と呼ばれているのか
BIG4とは、デロイト、PwC、EY、KPMGの四大国際コンサルティングファームを指す俗称です。これらの企業が世界の監査・コンサルティング業界で圧倒的な影響力を持つことに由来しています。
具体的には、これら4つのファームは、世界中の多くの企業や政府機関に対して高度な専門知識を提供し、業界標準を設定する役割を果たしてきました。
例えば、デロイトやPwCは、国際的な会計基準の策定において重要な役割を担っており、単に大きな規模を誇るだけでなく、業界におけるその専門性と影響力がBIG4と呼ばれる由来です。
1-2.BIG4の歴史
BIG4の違いを理解するためには各社の歴史を理解することが重要です。それぞれの会社の歴史は、独特で複雑な合併と買収の歴史を持っています。
デロイトトーマツコンサルティング: デロイトは1845年にイギリスで設立されました。その後、数々の合併を経て、日本のトーマツとも提携し、現在の形態に至っています。
PwCコンサルティング: PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、1998年にプライス・ウォーターハウスとクーパース&ライブランドが合併して誕生しました。これら二つの会社もそれぞれ19世紀に設立された長い歴史を持つ企業です。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング: EY(アーンスト・アンド・ヤング)は、1989年にアーンスト・アンド・ウィニーとアーサー・ヤングが合併して形成されました。これらのファームもそれぞれ19世紀後半に設立された歴史を持ちます。
KPMGコンサルティング: KPMGは、1987年にクリンゲル・ピート・マーリック・ゲーテラーとマッキンタイア・アンド・アンドリューが合併して誕生しました。ここにもそれぞれ19世紀から20世紀初頭にかけての設立という長い歴史があります。
これらの会社は、会計監査、税務、アドバイザリー、コンサルティングなど幅広いサービスを提供し、世界中に多大な影響を与えてきました。その豊富な歴史と業界での地位は、ビジネス世界において非常に重要な役割を果たしています。
BIG4各社の違い
BIG4の違いを理解するためには、デロイト、PwC、EY、KPMGそれぞれの業界における立ち位置の理解が重要です。この章では、それぞれの企業がどのようなサービスを提供し、企業文化を育んでいるのかを解説します。デロイトトーマツコンサルティングの幅広い専門性、PwCのグローバルな取り組み、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの成長性、KPMGの少数精鋭のアプローチに焦点を当てています。これらのファームが提供する独自の価値と、それがどのように業界標準を形成しているかを詳しく見ていきましょう。この解説は、これらのコンサルティングファームがなぜBIG4として区別されるのか、そして彼らがどのようにして各々の領域で卓越しているのか違いを理解する上で重要です。
2-1.デロイトトーマツコンサルティング
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | |
設立 | 1993年4月 |
代表者 | 佐瀬正人 (CEO) |
従業員数 | 5,263名(2023年5月時点) |
本社 | 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング |
事業内容 | 日本国内におけるコンサルティングサービス提供。戦略立案から実行まで、企業や組織のあらゆる問題に対するアドバイザリーサービス。社会課題の解決や新産業の創出を支援 |
国際的ネットワーク | デロイトグループの一員として、監査・保証、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務などの包括的かつグローバルな能力を活用 |
その他の拠点 | 名古屋、大阪、京都、福岡 |
デロイトトーマツコンサルティングは、BIG4の中でも特に幅広い専門分野をカバーしていることで知られています。多様な業界に対する深い知識と経験を生かし、高度なコンサルティングサービスを提供しています。例えば、財務アドバイザリー、リスク管理、ITコンサルティングなど、多岐にわたるサービスを一気通貫で提供している点が、他のBIG4との大きな違いです。さらに、日系企業に近い社風を持ち、国内企業に合わせたアプローチを取ることも特徴の一つです。これらの要素が組み合わさることで、他のBIG4との違いを生み出しています。
2-2.PwCコンサルティング
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | |
代表者 | 大竹 伸明 (Shinmei Otaki), 代表執行役CEO |
業種 | 経営コンサルタント業 |
サービス内容 | 戦略の策定から実行までの総合的なコンサルティングサービス |
設立日 | 2016年2月29日 (プライスウォーターハウスクーパース株式会社から分離・統合により設立) |
所属 | プライスウォーターハウスクーパース (PwC) の日本におけるコンサルティング会社 |
ネットワーク | グローバルに広がるPwCのネットワークと連携 |
競合他社 | デロイト トウシュ トーマツ、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング (EY)(世界4大コンサルティングファームの一角) |
主たる事務所 | 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング |
その他事務所 | 名古屋市、大阪市、福岡市 |
PwCコンサルティングは、そのグローバルな視点と多様な業務領域でBIG4の中でも違いが際立っています。同社は、国際的なビジネス環境に適応したアプローチを採用し、世界各国のクライアントに対して包括的なサービスを提供しています。例えば、税務・会計コンサルティングや、企業統合・買収に関するアドバイスなど、グローバルなマーケットに合わせた専門的なサービスが特徴です。また、他の部門との協力体制も強く、多角的な視点からのアドバイスが可能です。このように、PwCコンサルティングは、その幅広い国際的な業務領域と統合されたアプローチで、独自の位置を確立しています。これが、他のBIG4との重要な違いの一つです。
2-3.EYストラテジー・アンド・コンサルティング
項目 | 詳細 |
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会社名 | |
本社所在地 | 東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷ビル |
設立日 | 2020年10月1日 |
代表取締役 | 近藤 聡、梅村 英一、ピーター・ウェスプ、吉川 智 |
事業内容 | 戦略・トランザクションサービス、コンサルティングサービス。戦略・トランザクションサービスでは企業の戦略的な取引を成功に導くためのサービスを提供し、コンサルティングではデジタル化による急速な変化の中でのビジネス変革を推進 |
その他の拠点 | 大阪(梅田阪急ビル)、福岡(クロスコープ福岡、天神ビジネスセンター6階) |
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、BIG4の中でも特に成長期にあるファームとして注目されています。近年、EYは戦略、技術、リスク管理などの分野で顕著な成長を遂げており、その革新的なアプローチが業界内で高く評価されています。例えば、デジタル変革やサステナビリティに関するプロジェクトでは、新しい技術と戦略的思考を融合させたソリューションを提供しています。また、EYは他のBIG4と比べて比較的穏やかで、働きやすい環境が整っているとされています。これらの特徴は、EYが特に成長期にあるBIG4の一角として、違いを体現していることを示しています。
2-4.KPMGコンサルティング
項目 | 詳細 |
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会社名 | |
代表取締役社長 | 宮原 正弘 |
資本金 | 1億円 |
従業員数 | 1,795名(2023年7月1日現在) |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー |
大阪事務所 | 大阪市中央区北浜3丁目5番29号 日本生命淀屋橋ビル |
名古屋事務所 | 名古屋市中村区名駅3丁目28番12号 大名古屋ビルヂング26F |
事業内容 | ビジネスとテクノロジーの変革、リスク管理における支援、持続可能かつ収益性のある成長のための企業変革の実現 |
KPMGコンサルティングは、BIG4の中でも特に少数精鋭のアプローチと、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)案件における強みで違いを生み出しています。KPMGは、プロジェクトごとに厳選された専門家チームを結成し、より個別化されたサービスを提供することを重視しています。例えば、財務や税務の分野では、高度な分析と独自のソリューションを提供し、クライアントニーズに応じた高品質な成果を実現。また、RPAを活用した効率化は、業界内で特に評価が高いです。このような特長は、KPMGが提供する独自の価値と専門性を反映しており、他のBIG4との顕著な違いを表しています。
BIG4の違いを生み出す戦略チーム
BIG4の違いの一つとして、各社の戦略チームの理解は重要です。これらのチームはそれぞれのファームの専門性と戦略的アプローチを象徴しています。この章では、デロイトの「モニター」、PwCの「S&」、EYの「パルテノン」といったBIG4の戦略チームの特徴と役割に焦点を当てます。これらのチームは、ビジネスの深い洞察と革新的な戦略でクライアントの成功をサポートしています。各チームがどのようなアプローチを採用し、独自の価値を提供しているのかを詳しく解説します。
3-1.モニター
デロイトの戦略チーム「モニター」は、その革新的で戦略的なアプローチにより、BIG4の中での違いを生み出しています。モニターは、企業の成長と変革を促進するための戦略的アドバイスを提供し、クライアントのビジネスモデルと市場ポジションを強化しています。具体的には、競争分析、市場参入戦略、組織変革計画などで顕著な成果を上げています。これらの成果は、デロイトが持つ深い業界知識とモニターチームの高度な分析能力によって成り立っています。このように、モニターはデロイトの戦略コンサルティング分野における旗艦として、その価値と専門性を証明しています。
3-2.S&
PwCの戦略チーム「S&」は、その深い業界洞察と革新的なアプローチで、BIG4の中でも事業戦略に強みを持っています。S&は、戦略開発、業務改善、デジタル変革といった分野で、クライアントのビジネスモデルを強化し、競争優位を築くための戦略的アドバイスを提供しています。たとえば、テクノロジーとビジネスモデルの融合による新しい市場機会の創出、または、コスト削減と効率化を通じた業務プロセスの最適化などが挙げられます。これらの成果は、PwCが持つグローバルな視点と、S&チームの専門知識の組み合わせにより達成されています。このように、S&はPwCの戦略コンサルティング分野における重要な役割を果たし、その専門性と価値を明確に示しています。
3-3.パルテノン
EYの戦略コンサルティングチーム「パルテノン」は、その独自の分析手法と戦略的洞察で、BIG4の中でも特に優れた成果を示しています。パルテノンは、特に教育、ヘルスケア、消費財などの分野で、クライアントの戦略的問題解決に貢献しています。具体的には、市場調査、競争分析、事業計画策定などを通じて、クライアントの成長を支援しています。これらの成果は、EYの広範な業界知識と、パルテノンの専門的なアプローチによって実現されています。このように、パルテノンはEYの戦略コンサルティング分野における中核チームとして、その価値と専門性を証明しています。
BIG4 以外の総合コンサルティングファーム
BIG4の違いを理解するためには、BIG4以外のコンサルティングファームを知ることも重要です。BIG4がコンサルティングファーム業界に君臨している一方で、アクセンチュア、アビーム、ベイカレントといった他の有名なコンサルティングファームも、それぞれ独自の強みと特色を持っています。この章では、BIG4以外の主要なコンサルティングファームがどのようなサービスを提供し、どのように市場で差別化を図っているのかを解説します。これらのファームは、革新的なアプローチ、特定分野における深い専門知識、または特有の企業文化を通じて、独自の市場ニッチを築いています。
4-1.アクセンチュア
アクセンチュアはBIG4と比較されることも多く、BIG4との違いを知ることは重要です。アクセンチュアは、デジタル変革と技術革新の先駆者として、コンサルティング業界で際立った存在です。同社は、テクノロジーを活用したビジネスの変革を専門とし、クライアント企業のデジタル化と効率化を推進しています。例えば、人工知能やクラウドコンピューティングを駆使したビジネスモデルの再構築や、顧客体験の革新において優れた成果を上げています。これらの取り組みは、アクセンチュアがテクノロジーを核として、クライアント企業の成長を促進する能力を持つことを示しています。アクセンチュアは、その独自のアプローチとテクノロジーの専門知識により、BIG4とは異なる領域で強みを発揮しています。
4-2.アビームコンサルティング
BIG4を除く日系コンサルティングファームで最も大きいコンサルティングファームがアビームコンサルティングです。日本市場に特化したサービスと深い産業知識により、BIG4との違いを演出しているコンサルティングファームで、顕著な地位を築いています。同社は、特に製造業やエネルギー業界における深い専門知識で知られ、これらの分野におけるビジネスプロセスの最適化やイノベーションを支援しています。例えば、国内の製造業におけるサプライチェーンの効率化や生産技術の革新を通じて、クライアント企業の競争力強化に貢献しています。このように、アビームコンサルティングは、日本国内の特定産業に特化した独自のアプローチと専門性で、クライアントに対して高い価値を提供しています。この特徴が、BIG4とは異なるアビームコンサルティングの違いを形成しています。
4-3.ベイカレントコンサルティング
ベイカレントコンサルティングは、特にデジタル戦略とイノベーションにおいて、BIG4以外のコンサルティングファームとして違いを生み出しています。このファームは、デジタル技術を活用したビジネス変革に特化しており、クライアントのデジタル化を加速させるための戦略立案と実行を支援しています。具体的には、デジタルマーケティングの最適化や、新しいデジタル製品の開発など、多様なプロジェクトを手掛けています。これらのプロジェクトにおいて、ベイカレントは、その革新的なアプローチと深いデジタル知識を活かして、顧客企業に持続可能な成果を提供しています。このような独自の専門性が、BIG4とは異なるベイカレントの強みを形成しています。
まとめ
この記事を通じて、BIG4各社(デロイト、PwC、EY、KPMG)の違い、またその他の主要なコンサルティング企業とBIG4の違いを深く掘り下げました。
ここまで説明してきた通りBIG4はそれぞれが独自の強みと特色を持ちながら、ビジネス業界をリードしています。
また、BIG4以外の企業も特定の分野で卓越した専門性と革新的なアプローチを展開しており、ビジネス業界における彼らの重要性も明らかになりました。
この情報が、コンサルティング業界の深い理解に役立ち、適切なコンサルティングファームの選択に繋がることを願っています。
この記事の筆者
PROFFIT AGENT編集部
Co-nnect Inc.
この記事は、戦略コンサルや外資系コンサルティングファームの出身者が執筆を担当しています。PROFFIT事業で培ったコンサルティングファームとの繋がりによる最新情報、コンサルタント時代の採用担当経験をもとにコンサル転職に役立つ情報を発信しています。
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